アメリカのボストンで起きた爆破事件は大きな被害をもたらしました。
ボストンマラソンで「爆弾テロ」 8歳少年ら3人死亡 - (1/2)
テロを許さないアメリカの維新をかけてか、事件発生後5日後というスピード逮捕(一人死亡)となったわけですが、その舞台裏ではある最新のIT技術が駆使されていたそうです。MITは犯人の特定捜査に顔認識技術が使われていたようだと報じています。
米当局は街中の監視カメラの映像から、顔認識技術を使って犯人を絞り込んでいったと予想されます。従来の顔認識技術では顔の正面以外からの画像や眼鏡や付けヒゲがあった場合に認識の信頼性が大きく低下するという問題があったようですが、米連邦局が使用したとされる「特別な」顔認識技術はかなり高い精度での認識が可能なのではないかとMITは分析しています。
MITはまた、今後の犯罪捜査において重要な役割を果たすだろうと述べていますが、同様の手法がアメリカ以外の国でも活用されていく事はまず間違いないでしょう。
一方で我々の身近にも顔認識技術を活かしたサービスは既に存在しています。カメラで事前に登録された人間かを判断してドアを開ける電子キーや、笑顔を検出してシャッターを切るデジカメ、そして本人認証に顔認識を用いたスマートフォン。
犯罪捜査に役立ち、セキュリティの向上にも一役かっている。私達の生活の安定・向上に欠かせない存在となりつつある同技術ですが、別の分野でも熱い注目を受けています。
ビッグデータと顔認識技術は禁断の組み合わせ?
ビッグデータという言葉があります。これは電車の乗車履歴やインターネット上の何気無いつぶやきといった今までは見過ごされていた膨大なデータログ、またはそれらを解析して有効活用していこうという取り組みの事を指しています。
主に企業のマーケティング活動に活かされる事を想定しているこのビッグデータですが、解析に顔認識技術を活用しようという動きが活発になっているようです。ビッグデータにおける顔認識技術導入の意図はサービス利用者の性別や年齢層の解析精度を上げるだけでなく、監視カメラ等を通じて対象者がいつどこにいたのかを把握出来る点にあります。すでに実用の段階まできているようです。
ターゲットの動きを場所毎に時系列で把握・解析する事により、商品の購入に至った経緯や逆に失注の原因について企業はフィードバックを受ける事が出来るというわけ。解析には相当の手間とお金がかかりそうですが、よく考えたらメチャクチャ怖いですね。行動パターンや趣味嗜好が個人単位で把握・管理される時代が近付いているとも言えるわけです。
こんな記事も、もはや単なる妄想だとは思えない。
カメラは映像から人間の特徴を識別できる。これは今では簡単なことだ。もう少しソフトウェアが進歩すれば、「この人は何を見ているか」、「この人は誰を見ているか」くらいは判定できるだろう。ひょっとすると、とっくの昔にできているかもしれない。人が誰を見ているか、何を見ているか。それがわかる。実世界におけるソーシャルグラフだ。
「過去のソーシャルグラフの傾向と照らし合わせると、そろそろこのカップルは結婚しそうだ」 「この人たちは住んでいる場所も違うし、今まで出会ったことは一度もないが、食べ物の趣向や映画など趣味の傾向が近いから、結婚すると70%の確率でよい家庭になりそうだ」未だかつてない高精度で相性のマッチングを行うことができる。ほかにも、それこそTwitterやFacebookなどと連携してもっとデータを預ければ、もっと素晴らしいサービスが実現できるだろう。とても便利。だからきっと俺らはこれを受け入れるだろう。防犯カメラを受け入れたように。
私達が好むと好まざるとに関わらず顔認識技術の活用は、静かに、そして確実に生活に深く根付いていくのでしょう。「市民の安全の為」や「消費者の利便性向上の為」という大義名分の元に。
あまり歓迎したくない、気持ちの悪い未来だなぁと思うのは私が古い考えの人間だからでしょうか。時代の流れと、割り切って慣れていかないといけないのかなぁ。