
cnetnewsは2010年度のIT企業のM&Aの上位ランキングを発表しました。
中々見る機会の少ないランキングであり、結果も意外な物となっています。
M&A件数堂々のナンバー1はいまやIT界の巨人ことGoogleです。
取り扱うサービスの量とリリースするスピードから考えて予想通りと言った所でしょうか。
3位と7位に入ったのはPCメーカーであるHPとDELL。
この2社はつい先日までストレージ技術のノウハウを持つ3PARに対する激しい買収バトルをしていたばかり。世界的にPC需要が目減りする中、生き残りを模索しているといった所でしょうか。
4位に入ったのは絶好調のSNSサービスを擁するFacebookです。
若い企業にも関わらず、CEOのBret TaylorはIT長者番付に名を連ねる程。
急激に伸びた企業である為、M&Aも先行投資・リスクヘッジといった意味合いが強いのではないでしょうか。
Appleは5社で6位。
Appleが手がける企業買収は成功例が多いとされており、M&Aを有効活用が出来ている企業の一つと言えるでしょう。順調に企業活動を行っている証と言えるかもしれません。
AppstoreはPowerComputerのオンラインショップの技術が使われていますし、Apple A4はP.A.semiが設計の中止的存在であったと言われています。また近い将来に実現するであろうiTunesのクラウド化もLaLaの技術が使われるであろうと予想されています。
Appleがヒットさせるサービスの裏にはM&Aの存在が大きく寄与しているといってと過言ではないでしょう。 (もちろんFinal Cut Proのような成功とは言えないパターンもそれ以上にあるのですが)
そして最も意外だったのがMicrosoft社の0社。検索サービスのbing絡みで色々と交渉してたような気がしましたが、結果は0社。
新しい血を入れるより、今は中を整備・強化したいといった所でしょうか。
M&Aは様々な側面があり、業種・業界により傾向に違いがあります。
企業の体力強化という名の人件費削減であったり、シェアの拡大を謳ったライバル企業潰しであったり。
その中で動きの早いIT企業間でのM&Aは建設的な目的で行われる事が多い様に感じます。
かといってM&Aの数=企業力とはならない事も事実です。(デメリットもたくさんあるわけですし)
このランキングもある一時期のある数字を抽出しただけの、企業動向との相関性が無い、ただの数字の羅列かもしれません。
しかしこうやってそれぞれの企業の裏事情と照らし合わせて見ていくと「あぁ、なるほどなぁ」と思わせる何かがある。
面白いもんですね。