何度目だ、ドコモ。
日本経済新聞の取材によると、NTTドコモの山田社長はiPhoneの取り扱いについての質問に対して、Appleと交渉中であると応じたようです。
先日行われた株主総会で、辻村副社長がiPhoneの取り扱いを否定した(その後、微妙にニュアンスを変えましたが)その舌の根も乾かぬ内のこの報道。これはどういった意図があるのでしょうか。
LTE iPhone?
仮にドコモとAppleが何らかの話し合いを行っているのであれば、それは次世代通信規格であるLTEの仕様について折衝していると考えられます。
現段階のiPhone 4やiPad 2はドコモの3.5G回線で利用出来る事が確認されており、また次世代iPhoneも同様であると考えられる為、これらの回線仕様についての交渉とは考えにくい。また懸念材料とされるiモードについても、Appleのビジネスプランと真っ向から競合する為、こちらも今更話し合いというのもしっくりこない。
やはり2012年以降の投入が噂される、LTE iPhoneについて交渉していると考えるのが自然だと思われます。
FUDマーケティング?
上記はあくまでドコモとAppleに本格的な商談を行っていると仮定した場合。Appleとの商談に実質的な進歩・成果が無いにも関わらず、こういった発言をしているのであれば、NTTドコモのマスコミやアナリストを巻き込んだFUDマーケティングである可能性があります。
Wikipedia:FUD
FUDとは一般に、大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとする戦略的試みである。例えば、個々の企業が競 合他社の製品について悪い印象と憶測を与えるためにFUDを利用する。すなわち、他社製品に乗り換えるにはコストが掛かりすぎると思わせたり、潜在的ライ バルでもあるビジネスパートナーに対して影響力を保持しようとしたりする場合である。
ドコモユーザーもそろそろ気が付いてきた?
「iPhoneがドコモから出るかも!」といった報道は、iPhone 3Gの発売前である2008年の6月頃から既に行われていました。iPhone 3GS、iPad、iPhone 4が出る度に同様の発言が繰り返されて早や3年。そして今回の報道で晴れて4年目を迎えるわけですが、以前程のインパクトはもうありません。「またか・・・」という感想を持つ方がほとんどではないでしょうか。
山田社長が公式な見解として述べている事から、ドコモとAppleの交渉の糸は完全に切れてはいないのでしょうが、実際の台所事情としては先の株主総会で辻村副社長が述べた
「iモードユーザーがスマートフォンに移行している。5000万のiモードユーザーが気持ちよくスマートフォンを使ってもらうためにはAndroidになる。iPhoneを導入する予定はない」
これに尽きるのではないかと思います。
もし仮にNTTドコモがiPhoneを諦めていないのであれば、変にユーザーの神経を逆撫でする発言は控えて、粛々と交渉を続けた方が良いのでは・・・