iOS4からマルチタスクが採用されてから、iPhoneの利用の幅が広がりました。複数のアプリを同時進行で使えるというのは、ディスプレイサイズが限られているモバイルデバイスにおいて今やなくてはならない機能となっています。
一方でこのマルチタスクは、iPhoneのハードウェアにある傾向をもたらしています。それはホームボタンの酷使による劣化です。
「ホームボタンの効きが悪くなった」という症状は、昨今のiPhoneの不具合の中でも上位に入ってきていると思われます。かといって今更シングルタスクには戻れない。自動車や飛行機が普及した世の中では、馬車や気球での移動はもはや耐えられないように。
それでは一体どうすれば良いのか。
ホームボタンが必要が無いOSにすればいい。
Siri
iPhone 4Sから採用されたSiriは、ハードキー以外の入力方式としては実に革命的でした。微妙なニュアンスの質問にも高い精度で応答する点が、今まで世にあった「なんちゃって音声認識」とは一線を画す技術であり、現に言語サポートされているアメリカやドイツではもはやiPhoneになくてはならない機能とまで言われているようです。
またiOSの基本アプリ以外のサードパーティアプリへのAPIの開放が実現出来れば、iPhoneの操作の90%以上はSiriでまかなえるようになるでしょう。
AssistiveTouch
元は身体機能サポートとしてiOS5より採用されたAssistiveTouchですが、ホームボタンの効きが悪くなったiPhoneで便利に使えると評判になりました。これはタッチパネルでの操作でホームボタンやハードキーの代わりになり得るという一つの可能性を示しています。
個人的には画面表示領域が狭くなる事が気になりますが、通知センターの様に呼び出し方を工夫すれば、立派にホームボタン代わりになるかも!?
モーションジェスチャー
スマートフォンやタブレットデバイスにおいて、音声入力と並び研究されている入力方式がジェスチャー入力です。
eliipticlab社のiPadドックはデバイスに触れる事なく、Webページの移動や電源のオンオフを操作する事が可能です。
Appleもこの分野においては常に研究を続けています。iPadのマルチタスクジェスチャーもその一つでしょうし、特許庁に出願している資料からはジェスチャーだけで操作する技術を開発中である事が窺えます。
あくまでも「採用される可能性のある技術の一つ」ですが、iPhoneというサイズ的に制約のあるデバイスを取り扱い続けるのであれば、近い将来にお見えするのではないかと個人的に期待しています。
複雑な機能をシンプルに解決してこそのiPhone
発売当初のiPhoneは今から見れば、その機能は非常にシンプルでした。それが使いもしないボタンが一杯ついてたり、目的の情報まで何回もクリックしないといけない従来のフィーチャーフォンに飽き飽きしたユーザーの心を捉えたという側面もあると思います。しかしOSのバージョンアップによる機能追加を重ねる内に、現状のiOSデバイスは操作的に複雑になりつつあるような印象を受けます。マルチタスクによるホームボタンの酷使もその一例に過ぎないのでしょう。
今後も新たな機能追加が繰り返される事を考えると、従来の操作方法には無い、よりシンプルで直感的な操作方法が求められるようになるのではないでしょうか?
Apple観測サイトの直近の記事によると、次期iPhoneであるiPhone 5では、ディスプレイサイズが4インチになるとともに、ホームボタンがタッチ方式になる、あるいは撤去されるのではというリーク情報も実際にあるそうです。
ホームボタンが無いiPhoneをAppleがどう料理するのかは分かりませんが、誰にでも簡単に操作出来るiPhoneの基本コンセプトは踏襲して欲しい。裾野が広がり始めたiPhoneにはそれが今、必要だと私は思います。
(via:Cult of Mac)
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