以前から自社ブランドのスマートフォンを開発中であると噂されるFacebookですが、ここにきて新たな情報が入ってきました。
NY Timesによると、Facebookはスマートフォン開発の為にAppleから多くのソフトウェア・ハードウェアのエンジニアリングの引き抜きを始めていると報じています。
Facebookが自社ブランドのスマートフォンを開発しているという噂は、昨年から頻繁に耳にするようになりました。「AndroidベースでHTCが製作し、アプリはHTML5ベースになる」という感じでかなり具体的なリークだったのですが、続報は入っていませんでした。
Facebook Might Have a Smartphone in Its Future - NYTimes.com
しかしここにきてAppleからエンジニアリングを引き抜きするという計画が匿名のFacebook従業員から漏れた事から、再びFacebook Phoneリリースの是非を問う論争を産み出しそうです。
なぜ「Facebook Phone」なのか
こういった異業種が自社ブランドのモバイルデバイスを開発・リリースする事は、いまや決して珍しい事ではありません。AmazonはKindle Fireをリリースして大成功を納めましたし、身近な例としてはYahoo JapanもAndroidベースのYahooスマートフォンを既に販売しています。
自社ブランドのスマートフォンをリリースする理由は、単純に社名やサービス名の認知度を上げるだけで無く、サービスの入口を広げる事でサービスの活性化を図る意図があるのだと思われます。
特にFacebookにおいてはセキュリティ保持の観点からサードパーティ製のアプリを開発する事が難しく、あるのは使いにくく重いと評判のデフォルトアプリのみ。
また競合企業であるTwitterがiOSのデフォルトSNSとなった事もあり、モバイルデバイスへの対応は後手に回っている印象があります。その一方でインターネットのトラフィックはスマートフォンやタブレットに流入し続ける事実があり、この動きへの対応を誤ると、一気に時代に取り残される危険があります。こういった事情もあり、Facebookは自社サービスをスマートフォンユーザーにも拡大させる為にFacebook Phoneに拘る必要があるのでしょう。
InstgramやOperaの買収の話に続き今回の噂。モバイルインターネット制圧の為の乾坤一擲の一手となるか。それともAppleを初めとする先行組との新たな特許論争の火種になるのか。
しばらくFacebookからは目が離せません。