先日iPhone 5 生産工場で起こったストライキも、今回の件と関係しているのでしょうか?
iPhone 5 の受託生産を行っているFOXCONNは「iPhone組立ロボット」を将来的に100万台まで増強し100万人の工場作業員の代わりを務めさせる計画が進めており、既に10,000台を超えるiPhone組立ロボットが中国の工場で稼働しているようだとBGRは述べています。
BGRはこの件に関して、iPhone 5 の構造が複雑になっている事を踏まえて「ロボットに油をさす人間は必要だ」という表現で人の手を必要とする工程は以前として残されるだろうと述べていますが、これは裏を返せば比較的単純な作業は全てロボットに置き換えられる可能性を示唆しています。
背景にある人件費の高騰
先般ニュースを騒がせている尖閣諸島の領土問題に端を発した反日デモは、イオンを初めとする中国進出企業に大きな被害をもたらしました。結果的に中国への出店計画を見直す気運が高まっているようですが、そもそもの背景には中国における人件費の高騰があるようです。
みずほ総合研究所は、中国における月平均賃金は毎年10%を超える高騰を見せており、5年前と比較して約2倍になっていると報告しています。
深刻化する中国の賃金上昇の影響~労働供給制約の強まりを見据えた経営の確立を~(PDF)
今回フォーカスしたFOXCONNは台湾を本社におく企業ですが、生産・組立の拠点のほとんどを中国に構えています。FOXCONNも従来のような人件費の安さを武器に人海戦術で工場を回すという手法が人件費高騰の為に使えなくなってきている現状が、今回のiPhone組立ロボットの増強という経営判断に舵を切る要因となったのでしょう。
「世界の工場」において雇用創出に一役買っていたiPhoneも、時代の流れとともにその役割が変わりつつあるのかもしれませんね。