iOS6へのバージョンアップと共に、Siriが一段と賢くなりました。一部の地域では映画チケットの予約や経路検索が新たにサポートされましたが、真のガジェッターなら、iPhoneのSiriでエアコンの温度調整やTV番組の予約が出来る程度はこなして欲しいと願っているはず。
音声認識の精度の高さからか無駄にハードルを上がってしまった感の強いSiriですが、アメリカではSiriを使った非常に興味深い取り組みが既にスタートしています。
ARMベースのシングルボードコンピュータを提供しているRadberry Piはブログで、自社製品とSiriの組み合わせでガレージのシャッターを開けるデモンストレーションの動画を公開しています。
これは仮想のSiriサーバーであるSiriproxyとRadberry Piを使ったSiriハッキング。元々Rasberry Piは学校や新人技術者の練習用に開発された経緯もあって、作りは単純で価格も安く(3,000~4,000円程度)Linuxの知識と安定的なSiriproxyサーバーがあれば比較的簡単に実現出来るようです。
見た目の手作り感はご愛嬌ですが、Siriで様々な物を操作したいという欲求が一つかなった瞬間だと言えるかもしれません。
SF映画の様な生活がもうすぐ実現可能・・・なのか?
今回のSiriハックは特定のフレーズとガレージのシャッターのスイッチを連動させた簡単なものではありますが、応用すれば以下のような使い方も可能なようです。
将来的に全ての家電や電子鍵をより細かくSiriで操作する事が出来れば我々の生活スタイルも大きく変わりそうですが、残念ながらその可能性は低いかもしれません。なぜなら、AppleがSiriのAPIを他社に公開する事は過去の経緯からも考えにくいからです。故に現時点ではSiriを使った家電ハックは、動画のようなDIYが限界だとも言えます。
そこで気になるのがGoogleの動向。Googleは既に検索に音声認識のオプションを実装していますし、目下開発の自動運転カーは音声による操作が可能です。
GoogleがAndroidの音声でデバイスをコントロールする為の規格を立ち上げて各メーカーがそれに応じれば「スマホだけで家中をコントロール」も夢ではないかもしれません。今勢いのある総合電機メーカーのサムスンあたりが、Galaxyシリーズと自社の家電製品を連動させるサービスを開始する事も十分考えられます。この分野はAndroidがグイグイ引っ張っていってもらって、Appleにプレッシャーをかけて欲しいところですね。
なお、家電メーカーが死に体であり行政が新たな技術に理解の乏しい日本においては、実現がいつになるかは分かりませんが。